2008.02.06 (Wed)

Stray Cats 【5】 (MIOさん お宝SS)


【4】へ

(お前が悪いんやで、ジョウ)         
 矜持も友情も、遠くに消え去った。目の前にいる、温もりを、優しさを欲しがっている相手にそれを与えて、何が悪い――? 
(大事な女を、こないに泣かせてるお前が悪いんや――)       
 口唇を寄せる。    
 初めは頬に。瞼に。耳に。そして、口唇に………。 
 薔薇色の口唇は、抵抗をしなかった。ケンを素直に受け入れる。
「…ふっ。……んっ…」
 悩ましい微かな喉声がケンを血をたぎらせる。じわりと、こめかみに汗が滲み始めた。   
「アルフィン…」    
 切れ切れに、名前を囁く――。 
 自分なのだと。あいつではないのだと、悟らせるように…。 
 くりの大きい胸元から手を差し入れ、弾力のある豊かな胸をゆっくりと揉みしだきながら、ケンはアルフィンの名を囁き続ける。        
 その心に、届けとばかりに…。       
 早鐘を打つ自らの鼓動を耳の奥に感じながら、ケンは思う。  
(…あんたの相手は、ジョウやないかも知れへんで。あんたが力を発揮する時、隣りに必要なのは、ジョウやないかもしれへんのやで――) 
 隠された想いがようやく本人の自覚に辿り着いた。自らの疑問が、希望という別名を持っていた事を、ケンは知ったのだ…。       
(…あんたかも知れへん。どこにも居場所がないと感じ続けて来たこの俺が、本当に安心して帰れる場所は、アルフィン、あんたかも知れへん………)


 アルフィンは、白濁した頭でぼんやりと感じていた。
(…違う。いつもと、違う……)        
 厚みのあるジョウの舌しか知らなかったアルフィンの口内に、猫のように薄い舌が侵入してきている。
 口内を蹂躙する厚い舌に慣れきっていたアルフィンに、薄く、しかも全くざらつきの無い官能的な滑らかさを持つ舌が侵入し、静かに妖しく踊っている。  
(…なんて、やらしいキス…)  
 なぜ違うのだろうと微かに思いながらも、その甘さにゆるゆるとアルフィンの身体は溶け始める…。   
 胸をまさぐられ、先端を舌でねぶられるのを感じた。 
 脇腹から腕の付け根にかけて、ざわりと震えが走る。脚が、自然と擦り合わされる。体温が、息が上がっていく…。  
 薄闇に漆黒の頭が、自分の体の上でゆらゆらと揺れている。見慣れた、光景。けれど、ジョウにしては幾分髪が長いような――。 
 匂いが、違うような――。
 手を伸ばし、その髪をまさぐってみる。癖のない、その指通り…。 
(……!!)
 瞬時に、アルフィンは覚醒した。      
 今、自分に重なっているのがジョウではないことに、本当の意味でやっと気が付いた――。 
「あっ…!」
 全てを思い出した。自分から、誘った。
 顔見知りのケンを。
 よりによって、ジョウの友人であり、ライバルの、クラッシャーケンを――!
「あぁ…!」
 アルフィンは喘ぎ、惑乱した。
(どうしよう、どうしよう――?)
 ケンは押し殺した熱い息を吐きながら、両の手でアルフィンの全身をまさぐっている。
(………!)
 既にヴァージンではないアルフィンには判る。こんな様子の男を押し止どめる言葉など、ありはしないのだと――。  
 固く張り詰めたケンのそれが、アルフィンの内腿に当たる。擦り合わせるようにケンが動く。 
(…ああっ!……っ!)
 どうしよう、どうしよう、どうしよう――!             
 でも――!
 あたしに、ケンを拒絶する資格はない。…自分から、誘ったのだから……!            なら、どうするの? このまま、大人しくケンに抱かれるの――? 
 幾つもの、自分の声で突き付けられる質問に、アルフィンは懸命に頭を働かせた。    
 その間にもケンの手が、アルフィンの快楽の扉を次々と開けて行く。  
 耳に口唇を押し当て、アルフィンの名を、悩ましくケンは囁く。その度にアルフィンは、びくびくと陸揚げされた魚のように反応してしまう。    
 身体だけでなく、心までもが…。                
 呪文のように、アルフィンの名をケンは呼び続ける。 
 あたかもそれは、先ほど自分が打ち明けた苦しみを溶かすような優しい熱を持って、アルフィンの心と身体に染み込んでいく――。     
 アルフィン。アルフィン。     
――たまたま、身近にいるからじゃない。他の誰でもなく、君が。
 君だけが、欲しいんだ――。                   
 名前を呼ばれるたび、アルフィンの身体から抵抗する力が抜けていく。蜜のようにとろりと滴る低い声が、見えない蔦となって少女を搦めとる――。   
「アルフィン…。あんたが欲しい…」      
 くらり。横になっているのに、眩暈がするような気分にアルフィンは陥った――。       
 欲しかったものを与えられた筈が、甘く痺れるその身体とは裏腹にアルフィンの頭の芯は蕩けはしなかった。返って、泣きたいような気分に囚われる。
(…どおして、…じゃないの………) 
 切ない胸をよそに、その身体はどんどん快楽の園へと連れて行かれてしまう…。      
 ジョウに似ていると思った手が、全くの別人なのだと思い知らせるように、
 未知なる接触でアルフィンを捕らまえる…。秘所を下着の上から柔らかく捏ねていたケンの指が、しかし中へは侵入せず、そのまま後ろの方へ滑った。   
「あぁッ!」      
 電流のような強い快感が、アルフィンの芯を一気に駆け抜けた。
 絶妙の間合いで、指を使ってケンはアルフィンのもうひとつの秘部をリズミカルに突き立て始めたのだ。       
「あっ!あっ!あっ!あっ…!」     
 強い快感が、絶え間なくアルフィンを襲う。
(知らない。あたし、こんなの知らない――!)
 抑えようがない甘い声が、次から次へと零れ出る。
(ジョウじゃないのに…!ジョウじゃ、ないの、に…!)
 恐ろしく気持ちが良かった。こんな快楽があることを、アルフィンは初めて知った。
 愛する男の手からではないのに、与えられる快感に抗う気力がぐずぐずと崩れて行く。そもそも多量のアルコールが、既にその理性も克己も曖昧にしていた。いまやケンの腰に脚を絡めたがる本能を、アルフィンは抑えるのがやっとの状態だ…。     
 快楽と困惑と悲哀の海に投げ出され、アルフィンは翻弄される。 
 溺れてしまう――。 
(ジョウ…!)

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テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

05:49  |  CJ二次創作(短編)  |  コメント(5)

Comment

>YUKIさん
結末、、、知ってて申し訳ないです!
さぞかし気をもんでいらっしゃるのでしょうね・・・みなさま。
館主の贅沢ってことで、お許しをば!

>MIOさん
ケンの艶話は実は旧館で書いちゃったのでもーいいです(^^; しかも「複数」という。。。
これ以上暴走すると「穢れたおとな振り」をますます発揮しそうなので止めときます(今更?)笑

メール受理しました。お忙しい中有難うございました!
ブログ拍手対応も確認?していただけたようで、何よりですv

>○○○○さん
一気読みはさぞボルテージが上がったことでしょう(^^)MIOさんの筆にクラクラですよねv
それと、お礼なんてとんでもない。
お誕生日でしたか〜。それはおめでとうございます!
偶然とはいえ、あんな代物がとっておきの日に心慰めることにつながったのなら嬉しいです!
よそ様にちまちまUPしてご迷惑なんじゃないかなとひそかに危惧してましたが、却ってこちらが慰められた感じです。有難うございましたv
あだ |  2008.02.07(木) 03:05 | URL |  【編集】

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 |  2008.02.06(水) 14:09 |  |  【編集】

「こんなもんちゃうで」(本人談)

>Yukiさん
どうぞ、一晩などとおっしゃらずに(笑)。妄想世界に貞操観念は不要です(爆)!私と一緒に『ケン兄好き』を公言しましょう♪←J好きと平行で十分イケますよ!ね、あださんv

>あださん
是非是非、生みの親のあださんの手で、本家ケン兄の目眩く艶話をーーーッ!

>香夏さん
初めまして、MIOです☆
身に余るお言葉に、どうして良いか判りません(泣)!有難うございましたっ!
ここに書くのは何なんですが、折角の機会なので書かせて貰っちゃいます。
香夏さんの書かれた、アリエスとちびJの話、大好きです!幼少期Jには謎が多過ぎて(誰が世話したのか等)、もやもやしてたところを香夏さん作品でようやく腑に落ちましたv
ちびJ&アリエスの切なさ、愛情の交歓、すごくすごく素敵でした。染み入りました!
お忙しいとは存じますが、香夏さんの新作を心待ちにしておりますvvv←イラストもッvvv

MIO |  2008.02.06(水) 14:02 | URL |  【編集】

私は、Jひとすじ、ひとすじだったんだけど・・・
ケンかっこよすぎ。
姫でなくても惚れてしまいそうです。
どうしましょう。一晩くらいなら・・・
あぁ、続きはどうなるのですか!
終わりを知っているあださんがうらやましい。
Yuki |  2008.02.06(水) 05:21 | URL |  【編集】

息を呑む熱い描写

MIOさんの真骨頂、ここに見たり。


・・・しかし。

生みの親の私が言うのもアレですが、


ナニに関しては、

Jよりもケンのほうがなんぼも上手そうですな(すいませんっ)汗
あだ |  2008.02.06(水) 05:10 | URL |  【編集】

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